ブレーキをはじめとする重要部品を製造、
クルマ社会の安全と信頼を支える
ティービーアール株式会社は、親会社である株式会社TBKにおけるブレーキシュー、ホイルシリンダー、オイルポンプなどの生産拠点として1983年(昭和58年)に創立。トラックやバス、トレーラー、産業機械などの安全性をつかさどるブレーキの機能部品を担当しています。人の命を預かる重要部品を製造しているという自覚と緊張感のもと、品質管理に並々ならない努力を重ねていることはいうまでもありません。また、エンジン性能を大きく左右するオイルポンプも主力製品。鋳型から自社製造の鋳物、溶接、プレス、組み立てなど、部品製造のノウハウと技術力で高品質を支え、自動車安全基準の拡充・強化にもいち早く対応しています。
金属材料との関わり約42年、
分析と信頼性試験、そして磯釣りの日々
北九州出身の原さんを遙か山形県庄内地方に引き寄せたのは、原さんの金属に関する専門性を会社が必要としたこと、そしてそれ以上に、磯釣りが目当てだったといいます。北九州、神奈川と各地の磯釣り場に立ち、最終地点として選んだ場所が憧れの黒鯛釣りの本場、山形県庄内。「仕事よりも趣味の人」と思われるかもしれませんが、「仕事が中途半端だと心が乱れて魚は釣れない」というセオリーの持ち主で仕事ぶりもまた徹底しています。そんな原さんの仕事は、金属の性質や損傷、疲労、脆性等の状態を調査、研究すること。五感を使っての官能検査、さらに電子顕微鏡によるミクロの観察で金属を評価するのです。原材料、部品、構造物、それぞれの段階で金属の強度や性質を正しく評価しなければ安全で信頼性の高い製品をお客さまに提供することはできません。ましてティービーアールが製造しているのは、人の命を預かる車のブレーキやエンジンの機能部品。わずかな材質の狂いが欠陥の発生やリコールにまで発展しかねません。原さんが下す評価は社会に安心を与える上で欠かせないものなのです。
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| マイクロスコープなどの機器を使って破壊や破損の原因を徹底究明 | |
親の代から鉄鋼マン、
夜学の工学院大学で金属加工を専攻。
黒子に徹してものづくりを陰で支える
各種工業製品や工芸品など、ものづくりの達人はさまざまな分野に存在しますが、原さんの達人たる所以は、自らがものをつくるのではなく、そのものづくりを陰で支える「評価技術」を極めている点にあります。“形あるものはいずれ壊れる”わけで、いきなり壊れるもの、徐々に壊れるものなど、そのメカニズムをミクロレベルで解析調査。壊れ方の痕跡から原因を究明し、それを次の対策、新たな製品づくりへと反映させていきます。つまり、材料開発から製造工程、品質保証まで、原さんの評価は製品づくり全般に及びます。
父親も鉄鋼マンで、ごく自然に鉄鋼の世界に入ったという原さん。当初は上司に指示されるまま電子顕微鏡で試料を撮影しデータを作成していただけだったといいますが、その後、夜学の工学院大学で金属加工を専攻し、本格的に金属のエキスパートの道へ。組織試験技能士1級をはじめ、機械試験技能士1級、熱処理技能士1級、さらには機械検査技能士認定試験官および金属材料試験職業訓練指導員の資格も取得。材料研究室勤務を経て昭和48年に現在の株式会社TBKの材料検査課に入社し、平成2年からはティービーアールに勤務。庄内工業振興会材料研究会の会長を15年にもわたって務めるなど、この業界には欠かせない存在となっています。
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| 工場内のさまざまな工程にも原さんのチェックの目が光る | 鋳物鋳造 |
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| 顕微鏡試験 | 自動三次元測定器 |
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ブレーキの機能部品をはじめとするTBRの主要製品 |
金属に関する評価技術で地域産業に貢献。
社員のレベルアップ教育にも熱心で
自身の探求心もますます旺盛
金属材料の材質調査や解析は工業技術センターなどの機関に委託するのが一般的ですが、原さんのいるティービーアールでは、自社で検査を行うことができるのです。それどころか、逆に原さんのもとには他社、他県からも金属素材に関するさまざまな依頼や相談が持ち込まれます。大学や産業技術短期大学校、職業能力開発センターなどとの交流も生まれています。金属材料に関する企業の勉強会では講師を依頼されるほどです。もちろん、社内でも測定コンクールや間違い探しパフォーマンスなど、工夫に富んだ測定教育や実習を行い、社員のレベルアップに努めています。
環境問題等への対応でますます軽量化が求められる自動車。新素材の研究開発は必須課題といえましょう。その信頼性を判断する評価技術にもより高い精度が求められることは言うまでもありません。金属の神秘、ミクロの世界に魅せられた原さんの更なる探求心に寄せられる期待と信頼は増すばかりです。
![]() 「ミスは許されない製品づくりの黒子」と自らの仕事を分析する原さん |
![]() 原さんが40年以上にわたって愛読してきた金属に関する専門書 |













