伝統技能と技術開発を両輪に
高品質の製品づくり
株式会社エツキは、印刷機械や圧着機などの産業機械をはじめ、フライス盤や各種工作機械の製造を行っている会社です。創業は1967年、この40 年間で培ってきた高度な技術力とノウハウを生かし、積極的に技術開発に取り組む一方で、“キサゲ”という難度の高い伝統技能を守り、職人を育て続けています。伝統と先進の融合によって、多様なニーズに対応する「高品質」の製品づくりを実現。2005年にはコンパクト液体充填機の開発で「ゆとり都山形イノベーション大賞」を受賞しました。
汎用工作機械には欠かせない
モノづくりの基本“キサゲ”
工作機械を中心に食品機械や印刷機械などを製造販売するエツキの製造業としての強みは、最先端の技術開発と、難度の高い伝統技能である“キサゲ”の両方が得意であるということ。キサゲとは、スクレパーあるいはキサゲと呼ばれる工具を使って金属の表面を削り、平らにする手作業のことで、汎用フライス盤などの金属と金属が摺り合う部分(摺動面)に施されます。機械による鏡面加工では出せない完璧な平面を人間の手によってつくり出し、その上で油がたまる微細な溝を彫り上げて滑らかな動きを可能にするものです。
現在、このキサゲができる企業は極端に少なくなっていますが、エツキには5人のキサゲ職人がいます。金属加工では、今でも肝心な部分に人間の感覚、技能が必要とされており、エツキではキサゲを重要な技能として残し、さらにレベルアップさせているのです。その技を見込んでキサゲ加工を依頼してくるメーカーも増えてきているといいます。
![]() 1〜3マイクロメートルの単位で、微妙に調整しながら削る。機械にはできない技。 |
![]() キサゲが施された、汎用フライス盤の一部 |
精度の高さでは定評のある
若き“キサゲ職人”たち
5人いるキサゲ職人のリーダー的存在が奥山英治さん。40歳の奥山さんが最年長という若い職人集団ではありますが、その技術力、精度の高さには定評があります。そんな奥山さんがエツキに入社したきっかけは、会社見学に訪れた際に今まで見たことのない機械を目にし、そこで働く人々の「職人技」を感じさせる仕事ぶりに憧れたから。もうその頃から職人指向が芽生えていたようです。その後、他社でのキサゲ研修を経て職人としての技を磨いて5年、製品の品質を大きく左右するキサゲ部門を任されています。
技術革新が進むほど、そのベースマシーンとなる工作機械に求められるのはより高い品質。繊細な日本人の感覚が可能にするキサゲ技能は、台頭著しい諸外国からも脅かされることのない特殊な分野といえるのではないでしょうか。
「10年で一人前といわれる世界、自分自身もまだまだ修業の身。根気のいる仕事ですが、感覚を研ぎ澄ますことで機械以上の精度を生み出す、普通の人ではできない仕事という自負を持って取り組んでいます。」(奥山さん)
![]() ものづくりには欠かせない汎用フライス盤 |
![]() 金属同士が、滑らかに動くのはキサゲ加工のおかげ |







